ターイフのバラ加工場

香りを旅する

ターイフ:世界で最も愛されるバラの街

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毎年、春になるとターイフの街はピンクと赤に染まります。繊細で香り高い30枚の花びらを持つバラは、ワディ・マラム(Wadi Mahram)の谷で最初に開花し、次に少し標高の高いアル・ハダ(Al Hada)に移り、最後に街の南にある標高2500mのアル・シャファ(Al Shafa)の山々で花を咲かせます。高地で育つため、伝統的なダマスク・ローズよりフレッシュな香りが特徴です。このバラはターイフの経済とアイデンティティにも重要な役割を担っています。

「バラの街」と呼ばれるこの地では、900を超えるバラ農家が毎春3億本を超える花を生産しています。収穫された花は町じゅうにある加工場に運ばれ、蒸留されて、ローズウォーターのほか、世界で最も高価なローズオイルが抽出されます。これらはGivenchyJimmy Chooなど高級ブランドの香水に調合されています。

年に一度、街の賑やかなアル・ルダフ(Al Rudaf)公園の一角が、バラの村へと変わります。美しい環境の中、バラをテーマにしたダンス、演劇、エキシビションのほか、バラ農家や生産者による展示が行われ、公園の一部は絨毯のような花で覆われます。 

ターイフのバラ加工場はどこにある?

ターイフのバラ加工場はどこにある?

ターイフの中心部からさほど遠くない場所にあるアル・ガディ(Al Gadhi)は、町で最古かつ最大のバラ加工場のひとつです。3月上旬から4月末までの収穫期には旅行者も見学でき、昔ながらの秤による計量を待って列を作る地元農家の人々の姿が見られます。

この期間中、加工場では、鉄製の波屋根の下、100もの伝統的な銅製蒸留器がひっきりなしに稼働しています。蒸留器は一度に数万枚の花びらを蒸留し、数リットルのローズウォーターを生み出します。条件の良い日には、ほんの少しのローズオイルが抽出されます。わずか12グラムのローズオイルの価格は1600リヤル(約430米ドル)。15人のグループがほぼ24時間作業し続け、1シーズンで1億枚近くの花びらを処理することもあります。訪問者が向かえられる中央の部屋には、ステンドグラスの窓とシャンデリアが備わり、床にはたいていバラの花びらが厚い層となって積み重なっています。

 

ターイフのバラ加工場の歴史

約百年にわたってこの地で事業を行っているガディ家は、何世紀も前から続くデリケートな作業、とくに純粋なオイルを集める工程について改良を重ねてきました。今そのオイルは多くの人にターイフで最高の品質だと評価されています。1970~80年代には、サウジアラビアを統治していたハーリド・ビン・アブドゥルアズィーズ国王が、シーズンのすべてのオイルを購入すると言われていました。現在でもUAEから訪れた人がアル・ガディの数リットルのピュアローズオイルに大金を支払うなど、ローズオイルはアラブ文化において最高の敬意を示す贈り物だと見なされています。昔からメッカに旅する巡礼者の土産物としても知られ、グランドモスク・カーバ神殿のイエメンコーナーには今もその香りが漂っています。 

この地のバラが特別な存在となった理由は、ある意味で自然の神秘です。14世紀半ば以降に、メッカの近くでバラを栽培したいと考えた交易商人や起業家たちが、バルカン半島やトルコからターイフにバラを運んだと言われています。種子自体はトルコやブルガリア、イラン、インドで栽培されていたものと同じでしたが、ターイフの標高が作る微気候により、とくに香りのよい花が生まれました。花びらに日光が当たりすぎると香りが薄れるため、春の間、農家の人々は日の出前に起き出し、懐中電灯で照らしながらバラを摘み取ります。アル・ハダやアル・シャファでは、朝の空気の中に残る香りを感じられます。

花びらはアル・ガディ加工場などで密閉装置を使って蒸留されますが、必ずローズオイルが得られる保証はありません。今でも錬金術のような魔法の工程が残っているのです。

ターイフのローズオイルとローズウォーター

ターイフのローズオイルとローズウォーター

ローズオイルやローズウォーターは、アル・ガディ・バラ加工場かターイフ中央市場にある直営ショップで購入できます。小ボトルの価格は約50リヤル(約13米ドル)です。ショップにはたいてい、アル・ガディの二代目の5人兄弟のうちの2人オマールさんとアブドゥッラーさんが常駐しています。その向かいに、古くから続くもうひとつの家族経営のバラ生産者アル・カマル(Al Kamal)の小さなショップがあります。アル・カマルはアル・ハダに加工場があり、ローション、石鹸、芳香剤、香り付きのティッシュ、自社ブランドの香水など、さまざまな商品を揃えています。ローズティーを提供するカフェや、膝の高さほどのバラの茂みがある小さなガーデンもあります。

地元ガイドの案内で、地域の小規模農家を訪問することもできます。例えばハリド・シェルビ(Khalid Sherbi)さんは英語が堪能なガイドで、故郷であるこの地域の知識も豊富です。「ターイフは、サウジアラビアの都市の中でも最も快適な街のひとつです。私が気に入っているのは、ひとつの街の中にたくさんの多様性があること。農業、民族舞踊、衣装、さらにはアクセントの中にも多様性があるのです! もちろん地理的な多様性も豊かで、50km圏内に山脈や渓谷、丘、砂漠が見られます」

ワディ・マラム渓谷のアンズの木々の間でも、アル・シャファの高い山々でも、巡礼者やシャイフ、王らに愛されてきた有名なバラの香りが溶け込んだ空気を、思い切り吸い込んでみましょう。

 

ターイフのバラ加工場の営業時間

アル・ガディ・バラ加工場は、日曜~木曜の午前9時30分~午後2時30分にオープンしています。ターイフ・スーク内にあるアル・ガディとアル・カマルのショップは、土曜~木曜の午前9時~午後2時と午後4時30分~午後11時に営業しています。

その他の見どころについては、ターイフの目的地ガイドをご覧ください!

旅の安全に対する取り組み

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